堀江賢司さんは、愛知県に本社を構える堀江織物株式会社の取締役であり、印刷やものづくりの楽しさを伝えるサービスを行う株式会社OpenFactoryの代表取締役でもあります。 2010年に堀江織物の東京営業所を立ち上げるにあたり、「ノマドスタイルの営業を突き詰めたらどうなるのか」とオフィスを持たずに業務を開始。コワーキングスペースやクラウド、 デジタルガジェットを活用し、東京と愛知の2拠点でお仕事をされています。実は紙の整理が苦手という堀江さんに、立ち上げのときから欠かせないEvernoteと ScanSnapの活用方法についてうかがいました。
――EvernoteとScanSnapを使ったきっかけは何ですか?
「ノマド営業を考えたとき、紙情報はなくさなければと考えたのがきっかけです。紙を撲滅すれば自由になるし、全国どこにでも出張できると考えたわけです。 当時紙情報としては、名刺、会議資料、Faxの3つがありました。そこで、名刺と会議資料をデータ化して持ち歩くためにScanSnapを購入し、そのデータ保存場所として Evernote を本格的に使い始めるようになりました。FaxはインターネットFaxを使い、直接 Evernote に入ってくるようにしています。書類はすべてパソコンとEvernoteに 入っているので、どこでも仕事ができるのが最大のメリットです」
――周りの抵抗のようなものはなかったのですか?
「製造の現場はまだ紙の指示書や書類が中心で、1日数百枚ぐらいの紙を使っていますかね。つまり、ペーパーレスなのは僕だけ。いきなり周りを巻き込んでデジタル化を推進しなくても、 まずは自分が仕事をしやすいようにする所から始めています」
――実際に、どのように情報整理をしているのでしょうか?
「僕は、データの管理はできても紙の管理は苦手です。だから、名刺も書類もすべてEvernoteに取り込んでいます。あまり細かく分類もしていません。 でも、ScanSnapとEvernoteが自動的に分類してくれるので問題はありません。たとえば、一番多いのは名刺で、Evernote中に5400人分くらいあります。 紙の名刺をScanSnapで読み込めば自動的に名刺と判別するし、iX500を使えば名刺の裏表をセットで保存してくれる点が気に入っています。 溜まったなと思ったら取り込むだけですから」
――重複を調べたり、タグ付けしたりなどは?
「しないですね。ですので、重複してるのもありますよ。でも、『重複しててもないよりはマシ』と考え、もらった名刺は全部入れるようにしています。 中には、とりあえずスマホで撮影し、後でスキャンして残すこともあるほどです。タグ付けは、たまにイベントで会った人をまとめるために活用することがありますが、多くはスキャンするだけです」
――そうしてEvernoteにザックリ入れた情報をどうやって取り出しているのですか?
「元々デジタルデータのものやWebの情報はテキスト化されていますし、スキャンしたものはEvernoteがOCR処理してくれるので、パソコンやスマホ、タブレットでも検索すればでてきます。Macを使っているので、Evernote だろうが他のストレージだろうが、Mac OSのSpotlightを使えば検索の一元化ができます。ですから、書類はとにかくEvernoteに入れておくだけ。必要なときに検索すれば、関連情報が串刺しで表示されるのですから、こんなに便利なことはありませんよ」
――これからEvernoteとScanSnapを使おうという人は、何からスタートすればいいでしょうか?
「ScanSnapでスキャンしたものは、ScanSnap Cloudを使うことで保存先をいろいろと設定できますが、 最初は細かいことは考えず、『情報はEvernoteに集約する』とだけ決めておけばいいと思います。そうすれば手間はかかりませんし、多くの情報をまとめることに時間をかけられます。」
――分類よりも集約ですね。
“分類しようと考えると,事前に仕分けをしたり,スキャン後にファイル名をつけたりと,10分ぐらいの時間が必要になります。でも、とりあえずスキャンしておけばいいと思えば、 出先で1分しかなくてもOKです。情報は、溜まってくることで後から価値が出るものですから、まずは一カ所にまとめてどんどん入れていくことが大切なんです」
――こんなものを入れておくといいよ、というものはありますか?
「僕は手書きの手帳なんかも入れてますよ。これは使わないかもしれないけど、捨てるくらいだったらスキャンしておけば、何かのタイミングで見るかもしれないですから。 その時にしかないものを、図書館のようにアーカイブとしてためておくことは大変ですが、とりあえずスキャンしておけばいい。必要かどうかは、後でわかることですからね」
――Evernote 10周年ということで、思い出のノートを教えてください。
「12歳になる双子の娘がいるのですが、手紙やイラストはスキャンしてEvernoteにストックするのをおすすめします。幼い頃の手紙には「大大大好き」なんて書かれていますけど、 もう今は言いませんからね。その時にしかない手書きの文字やイラストはその時の気持ちとリンクするので、大事に取っておかなければいけないと思っています」
――親にとってかけがえのない財産ですものね。
「僕は、娘の結婚式が人生の一つの節目だと考えています。その時に、回想ビデオをつくりたいと言われ、『データ化してあるよ』というのがいいですね。あとは、自分の老後のため。クレヨンの質感とかがあるので原本も取ってありますが、地震があったりすると何がどうなるか分かりません。今、休みの日に見てニヤニヤするなんてことはありませんが、老後には楽しめると思います。思い出作りの意味もありますよね」
「思い出は一番安心できるところに取っておきたい」と言う堀江さん。Evernoteは100年続くサービスと言われており、絶大な信頼を寄せていました。「紙の書類はScanSnapでスキャンして、 Evernoteにストックするのが日常の習慣になっている」とのことで、仕事でもプライベートでも、ますます活用の幅が広がりそうです。
堀江 賢司さん
堀江織物株式会社取締役、株式会社OpenFactory代表取締役、Evernoteコミュニティリーダー、ScanSnapアンバサダー。
東京ノマド営業所
堀江織物株式会社
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